Les Belges dans la Concession de Yokohama à la fin du XIXe siècle (2)

横浜開港の翌年、1860年。外国人居留地の建設が始まる。居留地には英米を筆頭とする欧米諸国出身の人々が住み、商業・居住・教育・信仰・裁判・娯楽などの活動が展開されていく。1866年に日本と修好通商航海条約を結んだベルギーは、他国よりも10年ほど遅れて各港の外国人居留地にその存在を示し始めるが、その数の少なさにもかかわらず、ベルギー人は当時の外国人社会の娯楽を象徴する風刺画雑誌「ジャパン・パンチ」にたびたび登場する。本発表では、1880年から1884年までの期間に「ジャパン・パンチ」で10回ほど取り上げられた人物（キャプションによれば「在横浜ベルギー総領事」）、ギュスターヴ・スクリーブの人物像に注目し、横浜駐在ベルギー領事として任命されたのち、総領事へと昇格し、バタヴィアに「異動」になるまでのスクリーブの軌跡をたどる。同時に、1899年の条約改正までの期間、居留地内で起きた事件を裁く際に適用された領事裁判権の行使の実態についての考察を試みる。